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褐色矮星の理論的上限質量は木星質量の80倍程度である。このため、恒星の周りの惑星を観測的に検出しようとする場合には、褐色矮星の上限質量以下に見出される天体のうち、褐色矮星候補と惑星候補とを見分ける必要が生じる。そこで、両者を区別するために、進化の途上で重水素熱核融合を起こす可能性のある質量に達していない天体、すなわち「褐色矮星の理論的下限質量にその質量が達していない天体」を惑星と定義してはどうかという提案が2001年に国際天文学連合 (IAU) のワーキンググループから出された。この提案は恒星進化論に基づいた立場からのものといえ、現在に至るまで、暫定定義として便宜的に用いられる場合がしばしばある。 観測的には、300個を超える太陽系外惑星が発見されている。恒星を観測してみるまでは褐色矮星と惑星のいずれが存在するのか、あるいは存在しないのかは不明であるから、惑星が存在する恒星を選択的に観測することはできない。したがって、特に観測が偏ることなく、惑星とされる天体の他に、褐色矮星と推定される天体も発見されている。しかし、質量ごとの天体数を統計的に見ると、木星質量の20倍をやや超える程度から数十倍までの質量範囲にはごく少数の天体があるだけで、数の分布が2つのグループに分けられることが見出されている。これを惑星形成論の立場から見ると、褐色矮星が分子雲から直接形成されるのに対して、惑星が原始惑星系円盤で固体成分を核として形成されることを反映したものであるとする見方になる。このような惑星形成論的な立場からは、重水素熱核融合の可能性の有無ではなく、観測的な上限質量値(木星質量の20倍をやや超える程度)を惑星質量の上限とする見解が出ている。 21世紀初頭では褐色矮星の形成過程が理論的に見直されつつあり、質量あるいは質量分布のみから褐色矮星と惑星を定義するのではなく、他の要素をも考慮しようとする研究傾向が見られる。一例としては、サイズと組成も加味して区分すべきであるという見通しを示す研究グループがある。また、褐色矮星の理論的下限質量を超える質量の天体が恒星の周りを回っている場合でも、その恒星を巡る天体がさらに存在する場合には、連星系とするか惑星系とするかの定義がなく、褐色矮星と惑星の区分境界がぼやけてくる。 以上のように、低質量の褐色矮星と大質量の惑星との区分を意図した定義は、複数混在している状況にあり、今後新たな定義が合意される可能性もある。本項では、多少の曖昧さを残して「木星質量の十数倍程度よりも低質量」という定義を示したが、本項を含め、各種文献や議論に接する際には、どのような定義を前提としているかに注意する必要がある 近代以前、惑星としては、肉眼で天球上を動く様が観察できる7つの天体、太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星が数えられた。これは地球は惑星ではなく、宇宙の中心、または土台であると考えられていた為である。 近代に入り、地球も太陽を巡る惑星の一つであると認識され、太陽と月が惑星ではないと認識されるようになった。また天体力学の進展と観測技術の発達により、1781年に天王星、1846年に海王星が発見された。また、1801年に発見されたケレスや翌年に発見されたパラスなども当初は惑星として扱われていたが、火星と木星の間に同様の小天体が次々と発見され、1850年代には惑星の数が20個を超えたことから、それらをまとめて小惑星と呼び、惑星とは区別して扱うようになった。そして1930年には冥王星が発見され、第9番惑星とされた。 この間、慣習的に惑星と呼ぶべき天体は定められてきた。しかし1990年代以降、海王星以遠に冥王星・海王星間に見られるものと類似の共鳴関係をもつ軌道を巡る天体や、質量が冥王星と比較し得る天体(桁違いに質量が異なることがない天体)が相次いで発見され、これらも惑星と呼ぶべきか否かについて論争が巻き起こった。そして冥王星よりも大きな (136199) エリス(仮符号2003 UB313)の発見を契機として、惑星とは何かを定義する機運が高まった。